白隠慧鶴(はくいん えかく)
江戸時代の名僧白隠に、次のようなエピソードがあります。
白隠が沼津の松蔭寺に住んでいたころ、ある檀家の娘が妊娠するという事件が起きました。父から、だれの子かと厳しく問いつめられ、答えに困った娘は、日ごろから父が白隠を崇拝していることを思い出して、「白隠さんの子どもです」と、ウソを言ってしまいました。腹を立てた父は、やがて月満ちて生まれた赤ちゃんを抱いて白隠を訪れ、
「人の娘に子どもを生ませるとは、お前はとんでもない坊さんだ。さあ、この子を引き取れ」
と、白隠に子どもを押し付けて帰ってしまいました。
白隠は、その後、人々にののしられながら、もらい乳に歩いたりして赤ん坊を育てま
した。ある雪の日、いつものように赤ん坊を抱いて托鉢に歩く白隠の後ろ姿を見た娘は、ついに耐えきれなくなり、ワッと泣き出して、父に本当のことを打ち明けました。
びっくりした父は、白隠のところへ行き、平謝りに謝りました。白隠は、
「ああ、そうか。この子にも父があったか」
と言って子どもを返しただけで、娘や父を非難することばは一言もなかったそうです。
── 直木公彦 《白隠禅師-健康法と逸話》 【日本教文社刊】
白隱故事中譯 ──
在距離他的寺院不遠,有一戶開布店的人家,他們的女兒未出嫁就和一位男青年發生關係懷了孕。她父母覺得很丟人,就逼問女兒這孩子的父親是誰,女兒深怕一講出來,他的男朋友會被父親打死,所以一直不肯講。後來經不起父親的一再逼問,她念頭一動,爸爸最尊敬白隱禪師,因此就說:
「我肚子裡的小孩是跟白隱禪師有的」。
爸爸一聽,整個人像天崩地裂一般,萬料不到竟有這樣的事,白隱禪師是他最敬重的人呀!
她父母就帶著她去找白隱,白隱輕輕的說了句:
「是這樣的嗎。」
她父母看到白隱的神態安詳,當時就沒有繼續鬧下去。小孩呱呱落地以後,女孩的父親把小孩抱到寺院一摜,丟給白隱禪師說:「這就是你的孽種,還給你!」
此事傳出後,輿論譁然,紛紛指責白隱禪師道貌岸然,是一匹披著羊皮的狼。白隱禪師名聲掃地。
白隱禪師默默地做了這小孩的褓姆,天天帶著小孩化緣奶汁,到處遭受辱駡與恥笑:
「這個壞和尚!」
「這個不正經的和尚!」
「什麼狗屁得道高僧,原來只會引誘人家女孩!」。
但是白隱禪師不論受到如何糟蹋和侮辱,仍是默默地撫養這小孩。
一年過後,那女孩實在難以承受心靈的折磨與拷打,就對她的父母說出了事實真相。她父母聽了後,心裡感到無限的懊悔,立刻帶著全家大小,向白隱禪師賠罪懺悔。白隱禪師聽了以後,只淡淡地說了句:
「是這樣的嗎。」
就將孩子還給女孩。
一切都是那麼平靜,就像什麼都沒有發生過一樣。
後來女孩子皈依佛門,跟白隱禪師學禪。..................
── 村田忠嗣《六項精進實踐》葉瑜 譯,P.69,2020.01版 【機械工業出版社】北京
唐‧杜荀鶴《贈質上人》詩云:
枿坐雲遊出世塵,兼無瓶缽可隨身。
逢人不說人間事,便是人間無事人。
註:
日文出處參考網址──
広池学園出版部 編集発行『ニューモラル選集⑧ 新しい私を育てる』https://www2s.biglobe.ne.jp/~SHUJI/hanasi/hakuin.htm
臨済宗南禅寺派圓通寺blog https://blog.goo.ne.jp/1011entuuzi/e/216a5b6b86dc34024ada0c795fa973e5